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活動内容

要望書

令和8年 2月 14日
全国女性税理士連盟
会長 奥田 よし子

国民年金第3号被保険者制度廃止の要望書

全国女性税理士連盟は、国民年金第3号被保険者制度の廃止を要望する。

公的年金の加入が義務付けられている20歳以上59歳以下の国内居住者のうち、会社員など厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている配偶者(年収130万円未満)である第3号被保険者は、国民年金保険料を負担していない。第2号被保険者全体と会社が折半負担した保険料の中から、第3号被保険者分の国民年金保険料が拠出されている。片働き世帯を標準世帯とする年金制度は今や時代遅れとなっている。

1.第3号被保険者制度は、20歳代~50歳代の労働人口の就業を抑制する要因となり、社会的な損失を招いている。

第3号被保険者は、年収が130万円以上になると、自身で国民年金保険料※を負担しなければならなくなり、手取り額の逆転現象が生じる。これは就業を抑制する要因となっており「130万円の壁」と言われている。少子高齢化社会における労働力不足、社会保障財源不足の観点から問題となっている。またこの就業調整は、女性の低賃金化を招き経済的自立の妨げや、キャリア形成を阻むことになり、わが国のGDPを下げるなどの社会経済的損失を招いている。(※令和7年4月現在、国民年金保険料は月額17,510円である)

2.第3号被保険者制度は、共働き・単身世帯と比べて片働き世帯を優遇している。

専業主婦が無年金となる課題を解決するために、昭和60年の制度改正において第3号被保険者制度が新設された。しかし現在、共働き・単身世帯が増えるなど家族のあり方が多様化する中で、片働き世帯のみを優遇する制度となり、様々な不公平の要因となっている。
 同一賃金の単身世帯と片働き世帯とを比較してみると、1人分の保険料負担について、前者は基礎年金1人分を受給するのに対して、後者は基礎年金2人分を受給することになり、不公平が生じている。
 自営業者などの第1号被保険者の妻は、たとえ収入がなくても第1号被保険者として国民年金保険料を負担しなければならない。
 また夫の収入が高い世帯ほど、専業主婦世帯の割合は高い傾向にある。高所得世帯の第3号被保険者が保険料を負担せず、一方で収入の低い世帯や中小企業がその保険料を負担している状況になっており、早急に是正する必要がある。

3.中小企業とその従業員は、これ以上の社会保険料の負担に対応することは困難である。

会社と従業員で折半し負担しなければならない厚生年金保険料率は現在18.3%である。健康保険料、介護保険料を加えた社会保険料率の合計は約3割となり(東京都29.80%、大阪府30.13%)、労使双方にとって重い負担となっている。そのため中小企業では賃上げも、これ以上の保険料負担の増加に対応するのも困難な状況である。

4.第3号被保険者制度は廃止し、全ての年金加入対象者は自身の保険料を負担すべきである。

国民年金加入世代(20歳以上59歳以下)では、既に共働き世帯が7割を超えている。負担の不公平や就業調整等の弊害などの要因となる第3号被保険者制度は廃止し、全ての年金加入対象者は、第1号被保険者もしくは第2号被保険者として自身の保険料を負担すべきである。
 深刻な労働力不足の解消、年金制度の公平性、そして中小企業の負担軽減という、わが国が直面する諸課題の抜本的解決には、本制度の廃止がもはや不可避である。廃止に際しては、育児・介護・疾病等による就労困難者や低所得者に対し、被保険者の種別を問わず免除や減免等の制度を適用・拡充することで、真に支援が必要な者を確実に守るセーフティネットを構築すべきである。

就労困難者や低所得者層を守りつつ負担能力に応じた公平な保険料負担を実現し、全ての国民が納得感を持って支え合える年金制度設計を強く要望する。

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