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活動内容

要望書

令和3年 4月10日
全国女性税理士連盟
会長 三上 広美

所得税法第56条廃止の要望書

同一生計親族間で授受する対価の必要経費性に関する所得税法第56条(事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例)の廃止を要望する。それに伴い、第57条(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)も廃止すべきである。

所得税法第56条は、不動産所得、事業所得又は山林所得の計算上、同一生計親族に支払う対価(給与、地代家賃、支払利息等)については、これを事業所得等の必要経費とせず、また、これを受け取った親族の所得としない旨を規定している。

本規定は昭和25年(1950年)に制定されたが、改正前は世帯単位課税を前提としてきたため、個人単位課税に移行すると、家族間で所得を分散して租税回避行為をする恐れがあった。これを防止するための特例として制定されたものである。

本規定の制定後70余年が経過し、現在では家族や就労の形態は大きく変化しており、生計を一にする親族であってもそれぞれ独立した事業を営む者も多い。生計を一にする親族間といえども、その独立した事業の一環として適正な対価を授受することは、正当な経済活動であって恣意的な所得分散には当たらない。

また、生計を一にする親族に支払う給与等であっても、適正な金額を必要経費とすることは所得税法の本則(第37条)からいっても正しく、支払いを受ける側も給与収入等とするのが相当である。

したがって、個人の経済的独立性の意識と多様な経済活動の実態に鑑み、適正な記帳義務や記録保存義務の徹底等を要件に、現在の社会状況に合わない所得税法第56条は廃止すべきである。その当然の帰結として、多くの制約の下で事業専従者に対する給与の支払を認めている第57条も不要となる。

全国女性税理士連盟は、以上の理由により、所得税法第56条の廃止を要望する。

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