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人生の転機に税理士を目指す
父が会社を経営しておりましたので、税理士という職業があるということは幼い頃から知っていました。24歳で結婚し、26歳で妊娠したのですが、出産直後に離婚。悔しさから社会的に活躍できる資格を取得したいと考え、その時にひらめいたのが税理士でした。
生まれたばかりの娘を実家に預け、一人暮らしをして専門学校に通って猛勉強。1年目に簿記二級、簿記論、財務諸表論、2年目には法人税と消費税、そして3年目に晴れて相続税に合格。苦しい3年間でしたが、他の受験仲間の何倍も勉強し、勉強方法もありとあらゆることを試し、ようやく掴んだ合格でした。
税理士という仕事は、これまでのあらゆる経験をプラスに活かせる
合格して私が選択したのは、娘を保育園に預けての就職ではなく、時間が自由になる開業でした。もちろんお客様は0件からのスタートでした。
当初は、市役所の定例相談員などを勤めさせていただきました。私が当番の時には何故か相談に来られる方は女性で、しかも離婚を検討しての税の相談が多かったのです。同居で悩まれている相談者の方に、私も同居の経験がありましたので、「同居の辛さはよくわかりますよ」とお伝えした途端に、相談に来られた女性がポロポロと涙を流されたこともありました。その時、私はこれまでのあらゆる経験を、税理士という仕事の中でプラスに活かすことができると心強く思いました。
税理士という職業が女性に向いていると思う理由
お客様には零細企業も多く、社長と奥様の2人で切り盛りされている会社も多くあります。その場合、経理は奥様の担当のケースが多いので、一緒に会計に携わる税理士が女性だと話しやすさなどもあり、安心していただけるように感じています。加えて、女性税理士の先生には概して真面目な方が多く、業務においても公私をしっかりと分けて指導されている方が多いように感じています。
また、女性=母性であるならば、企業を母親のような気持ちで見守り、そして指導できるのではないかと感じており、私は税理士という職業は女性に適性があると感じています。
これからの目標 『事務所の職員さん、そしてお客様の幸せのために』
紆余曲折あり、一時は、税理士法人の代表社員となったこともあったのですが、今では自分の事務所の経営も軌道に乗っています。また、2015年には経営者対象の勉強会で知り合った一部上場企業の社長から社外監査役(現職)を依頼され、お引き受けさせていただいております。この件に関しては税理士をしていて本当に良かったと思うと同時に、さらなる自己成長の必要性と責任の重さを痛感しているところです。
私の人生の柱は「社会貢献」。本業においても社会活動の大切な源泉である税に関わることで、社会に貢献できているのではないかと思っていますし、現在では、税と生活は切っても切れないことを子供達に伝える「租税教室」の講師を務めるなど活動の幅も広がってきています。まだその他にもまだまだ様々な目標はありますが、まずは事務所の職員さん、お客様の幸せのために、しっかり働いていきたいと考えています。
税理士を目指す女性の皆さんへ
私は、税理士という職業は、自分自身の様々な経験をダイレクトに仕事に活かせる職業だと思っています。結婚や出産をしても続けていけますし、自宅を事務所にすれば、子どもを鍵っ子にすることもありません。
また、定年もないので何歳になっても働くことができます。女税連でも、80歳代、90歳代で活躍されている素敵な女性税理士の先輩が沢山いらっしゃって、多くの勇気を頂いています。
これから税理士を目指す女性の皆さん、税理士資格の取得は決して楽ではありませんが、チャレンジするのにふさわしい資格だと思います。ぜひ、頑張ってください!
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父の勧めで税理士に
父が税理士だということもあり、幼い頃から税理士になるように勧められていました。とは言うものの、私は数学が大の苦手。いくらなんと言われても、頑なに絶対無理と思っていました。高校時代には心理学や民俗学、西洋史等を学びたいと考え、大学受験で受けたのは九州人の憧れだった北の大地、北海道大学。二次試験に数学がなかったのが幸いし、合格を手にすることができました。
当時の北大は2年生で学部を決める制度があったのですが、抽象的な学問に早々に頓挫した私は、入学前の志望を諦め、実学である法学部を選びました。法学部や経済学部卒なら、税理士の受験資格が与えられます。その時、いざとなれば税理士になって実家に帰ればいいやと思ったような、思わなかったような…。
そして4年生になるとバブル崩壊真っ只中。文系女子の就職口は少なく、父の勧めでバイトをしながら専門学校に通って税理士資格を取りました。やってみれば、私でも試験は突破出来、そして申告書を作り上げる過程が、実は楽しかったのです。血は争えない?今では特技=申告・趣味=申告、結局父の思い通りになったわけですが、実家を継いだわけではなく札幌で仕事をし、父は今も故郷福岡で現役税理士をしています。
独立開業までの長い道のり
大学卒業後、税理士有資格者になり会計事務所に勤めたものの、潰瘍性大腸炎という難病を患い、退職して実家に戻り入退院を繰り返して、両親に多大な心配をかけてしまいました。その後回復して北海道に戻り、また会計事務所に勤めたのですが、途中で様々な事情から未婚の母に。そんな私を大学時代にお世話になった教授がスカウトして下さり、10年間、研究員として大学に勤務しました。その後、研究員の契約期間が満了し、再び別の会計事務所に就職。その後、平成28年10月、一念発起して独立開業に至りました。専門学校の同期で合格した友人達は、早いうちに独立していましたが、気付けば私は20年以上遠回りをしての独立開業でした。
人それぞれに輝ける
独立開業するとき、当時中一の娘に聞きました。「他の税理士事務所にないような、うちの売りは何にしよう?」すると、う〜んと考えた後の答えの一つが「計算の出来ない税理士」。えー、いくら数学苦手でもそんな税理士ダメじゃん!と思ったのですが、その後に気づいたのです、数字を使うのが得意な税理士はたくさんいる。じゃあ、私は数字ばかりじゃなく、もっと分かりやすい資料を作ったら?また、もう一つ私が苦手なこと、それは、人に教えるということ。税理士としては致命傷です。しかしその欠点についても、自分が喋るよりもお客様のお話をじっくり聞く方に回れば良いのだと発想を切り替えました。「短所は長所」、固定観念を捨てれば、自分を生かす道が開けるのかなと感じています。
現在は、相続の仕事を増やしていこうと、終活相談会や相続寄席のお手伝いなども積極的に行なっています。相続税の打ち合わせでは、故人やご家族の来歴を伺うのですが、そのストーリーは映画よりもドラマチックな時もあります。北海道という土地柄もあって、遡れば道外出身のお家が多かったり、開拓時代には女性でも男性以上に活躍していたり、まさに「事実は小説よりも奇なり」。経営者としても、また子育て経験者としても先輩であるお客様から逆にアドバイスをいただくこともあります。様々なエピソードに私は自然と聞き入ってしまい、またそういう時はお客様も熱心に話してくださいます。たくさんのご縁があって、今生きているのだと実感しています。
これからの目標 『母親も税理士も、楽しく自分らしく!』
いつも私を笑いで包んでくれる娘と、保健所出身イケメン愛猫ネオン。この楽しい家族に恵まれ、今はとても幸せです。しかし、仕事と育児の両立はなかなか大変で、時には精神的に余裕がなくなり娘を怒鳴りつけてしまうこともありました。そんな時にも、ママ友、大学や会計事務所時代の同僚・先輩、女税連のみなさんなどたくさんの方に支えられて乗り越えてきました。
独立する前は、営業も苦手だし、本当に自分にできるだろうかと不安でしたが、やってみたらなんとかなるものです。また、自分も同じ立場になり、経営者の気持ちが理屈でなく理解できるようになったことも、開業して良かったことの一つです。経営者としてはひよっこの私ですが、税理士業も母親業も自分らしさを大切に、楽しく前向きにやっていきたいと考えています。
そして、独立の際に娘が言った弊所の売りが実はもう一つ。これぞ唯一無二(であろう)「世界一カワイイ税理士事務所」!さて、どうなることか、今後に乞うご期待です!
税理士を目指す女性の皆さんへ
新卒で就職戦線を離脱した時、難病で何度も入院した時、そして未婚の母を選択した時・・・人生のどん底と思った時もありました。しかし、資格と好きなことがあれば、何とかなるものです。私は、税理士は自分らしく強く生きていくために助けになる資格だと、自信を持って言えます。私ほど世間のレールから外れる方は、あまりいないとは思いますが…。でも、こんな私が言うのですから信じていただけるのではないでしょうか。私の話が、少しでも税理士資格を目指される女性の皆さんの励みになれば幸いです。
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全科目合格したのは、50代目前。
税理士である父から「税理士は、家の中でできる仕事だし、暑さ寒さも関係ないし、子どもを背中に背負ってでもできる仕事だから、女性に向いていると思う」と言われ、気軽に「税理士もいいかな?」と思ったのが、税理士をめざすきっかけでした。
20代の頃、税理士を目指して勉強し、2科目合格したところで父の税理士事務所で働き始めました。働き始めると、税理士の資格が必須というわけではなかったので、受験勉強はなおざりに。試験は受けるものの、勉強していないので合格点を取れるはずもなく、そうこうしているうちに40代になってしまいました。しかしある時、事務所で働く職員さんに、「所長(父)にもしものことがあった時、資格者がいなくなってしまう!」と言われ重い腰をあげて受験勉強を再開。そして、やっと全科目合格して税理士資格を得たのは50代も目前!20数年の時間をかけた受験の戦いが、やっと終わりを告げました。
税理士は「たくさんの学びのチャンス」がある職業
一般的な仕事では、関わる業界の中で人脈が培われていくと思いますが、税理士は製造業、小売業、運送業など、様々な業種の方とお仕事させていただくことができ、それは役得かなと思っています。業界の違う方々と関わらせていただくと、ただ世間話をしている中からでも、勉強になることがあります。また、ある業界にとっては常識でも、他の業界にいる人には新鮮に映る話も、実際にはたくさんあります。そういう点において、税理士という職業は、お客様からたくさんの学びのチャンスをいただくことができる職業であると感じています。
税理士に向いている人は?
税理士の仕事は、企業や個人事業主などから依頼を受けて、申告の代理や書類作成、税金に関する税務相談の業務を行うことです。私の事務所でも、そのような業務を行なっていますが、このような仕事は人によって多少の違いはあれど、創造的な仕事をやられている方と比較すると、個人差が出る職業ではないと思います。しかし、目の前の仕事に真面目にコツコツと取り組むことができる人には向いていると思います。
また、お客様のお話をよく聞き、理解して、アドバイスするという意味では、コミュニケーション能力も求められます。そのような意味では、女性税理士の方がお客様のご要望に対して細やかな対応ができ、資質があるのではないかと思っています。
これからの目標『経営者の力になれる税理士に』
昔は、税理士事務所というと「帳簿屋さん」と呼ばれることもありました。「帳簿屋さん」というと、例えば中小企業の経営者が決算の時期に領収書と通帳の1年分を税理士事務所にお持ちになり、そこから帳簿や申告書を作って、納税のお手伝いをする、というような仕事です。もちろんそのような業務も税理士の仕事の一つですが、今は企業の税務のお手伝いを行うだけでなく、経営者と一緒に売上げや経費の分析をしながら、アドバイスを行い、より良い経営を目指していくためのパートナーとなるのが税理士の仕事だと感じています。私の事務所では、まだまだそのような仕事は多くはありませんが、常に経営者の力になれる税理士を目指していきたいと考えています。そのためにも、毎年変わる税法等に精通し、これまで以上に的確なアドバイスができるようになっていきたいと考えています。どのような職業でもそうだと思いますが、税理士も日々勉強が必要だと痛感しています。
税理士を目指す女性の皆さんへ
私が税理士を目指し始めたのは20代、しかし実際に税理士になったのは冒頭にも書かせていただいたように50代目前でした。だから言えます。いくつになっても、何かを始めるのに遅いということはありません。随分昔に数科目合格して時間が空いてしまったというような方も、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか?
あと追加ですが、最近はどこのお客様とお話ししても、相続税に関する話題が出ます。ですから、受験勉強の際にも、ぜひ、相続税のことはしっかり勉強することをお勧めします。