全国女性税理士連盟

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活動内容

要望書

平成 25 年 10 月 12 日
全国女性税理士連盟
会長 大藤 淑子

番号制度に関する要望書

本年 5 月 24 日に「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」いわゆる共通番号法が成立し、平成 28 年(2016 年)より共通番号の運用が開始されることとなった。

この番号制度の導入により、行政効率が高まり、公正な給付と負担が確保され、手続きの簡素化等により、国民にとって利便性の高い社会を実現できるとされている。しかし、その一方では、個人情報の保護、利用範囲や費用対効果など様々な問題がある。

そこで、全国女性税理士連盟は、番号制度の今後の運用に関して、考慮すべき事項を指摘するとともに、次のとおり要望する。

1 個人情報保護を万全なものとすべきである。

政府は、個人情報保護に係る対策として、制度上、第三者機関である特定個人情報保護委員会を設置することで監視・監督を行い、マイポータルで自らアクセス記録の確認ができることとし、システム上、情報の分散管理を行うとしている。

しかし、番号制度の導入により、行政機関の扱う情報の種類や量が増加する結果、情報の漏えいや乱用の危険性が増大すると考えられる。現に、番号制度を導入している諸外国では、個人情報の不正入手・流出による成りすましなどの問題が指摘されている。

個人情報の不正入手・流出を阻止するシステム上の対策措置の見直しを随時行い、併せて罰則規定の見直し及び救済規定の整備など、個人情報保護を万全なものとすべきである。

2 番号制度の民間利用については十分検討すべきである。

番号制度は、当面、社会保障・税・災害対策に限定されているが、行政分野の効率化と国民の利便性の向上に資する観点から、3 年後を目途に民間分野での利用を視野において検討することとされている。しかし、個人情報の保護の観点から、利用範囲を安易に拡大すべきではなく、慎重に検討する必要がある。

3 番号制度の導入による費用対効果を明示すべきである。

我が国の財政は、東日本大震災の復興や、その他の度重なる災害あるいは高齢化社会への対応による社会保障費等の莫大な歳出が必要とされ、平成 26 年 4 月からの消費税増税が決定された。そのような厳しい財政状況の中、この番号制度に関して、導入費用、維持管理費用、導入により削減される事務費用等具体的な費用対効果を明らかにし、今後の運用を決定すべきである。

4 国民への教育・広報活動を積極的に行うべきである。

国の責務として番号制度に関する教育・広報活動が法定されているが、国民及び国民生活に大きな影響を与える制度であるにもかかわらず、法案成立後もいまだ国民に周知されているとは言い難い。

国民への教育・広報活動を積極的に行い、番号制度のメリット・デメリットを周知すべきである。

5 番号制度は申告納税制度を補完する制度とすべきである。

我が国の税制は、納税者が自ら税額を計算する申告納税制度を基本としている。
税の分野における番号制度は、あくまでも申告納税制度を補完する制度であり、申告納税制度を歪めるようなことがあってはならない。

6 特定個人情報保護委員会委員に税理士を任用されたい。

番号制度は、社会保障制度、税制その他の行政分野における給付と負担の適切な関係の維持に資することを基本理念の一つとしている。このように税務に深くかかわる制度であることから、特定個人情報保護委員会の重要性に鑑み、委員には税務の専門家である税理士を任用されたい。

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