全国女性税理士連盟

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活動内容

要望書

平成 23年10月15日
全国女性税理士連盟
会長 吉栖 照美

番号制度に対する要望書

現在、政府が進める社会保障・税の一体改革の大前提として、社会保障と税に関する番号制度(以下、「番号制度」という。)の導入が検討されている。

本年6月30日に発表された「社会保障・税番号大綱」(以下、「大綱」という。)では、番号制度の導入により、国が得る所得情報の正確性を向上させることができ、国民の負担と給付の両面において公平・公正さの確保ができると共に、行政手続きの効率化が図られ、効果的な政策の実現も可能となると説明されている。

しかし番号制度は、事業所得への適用は難しいなど、所得の把握には限定的な効果しか期待できず、一方でプライバシーの侵害が懸念されるなど様々な問題をはらむものである。

大綱では、シンポジウムを開催し、周知・広報を行う民間団体を支援し緊密な連携を行うとしているが、大綱発表以降、報道等で取り上げられることがほとんどなく、国民に周知されていない。国民生活に大きな影響を与える制度の導入にもかかわらず、国民が納得できるような議論は行われているとはいえないのが実情である。

そこで、全国女性税理士連盟は番号制度について、次の通り要望する。

1 個人情報保護等のための議論を尽くすべきである。

大綱では、個人情報の保護等を目的とする第三者機関の設置を行うとしているが、既に番号制度を導入している諸外国では、成りすまし等による個人情報の不正入手などの問題が後をたたず、我が国においてもプライバシーの侵害が懸念される。

番号不正利用等の危険性について、番号制度のデメリットも国民に提示し、不正利用ができないようなシステムを構築するための議論を尽くすべきである。

2 番号の利用範囲を明確にするべきである。

大綱では、「番号制度で何ができるか」という記載はあるが、具体的な利用範囲が明示されていない。税・社会保障面での具体的利用とそれに伴う民間利用の範囲等が明確でないため、利用の拡大に対する不安が大きい。

番号の利用範囲を明確にし、その上で国民にこの制度の是非を問うべきである。

3 予定される導入費用・維持管理費用の提示をすべきである。

我が国は現在、東日本大震災、福島原発事故、台風12号の洪水土砂災害という度重なる大災害からの復興のために莫大な歳出が必要となっている。そのため、所得税及び法人税等による増税を長期間行うことが検討されている。このような状況下で、国民に番号制度導入及び維持にかかる具体的な費用の提示もされることなく、まずは導入ありきで、番号法を成立させるというのは、余りにも拙速過ぎると考える。

現状では、国民が番号制度導入の是非を判断するための情報が乏しい。政府は国民の議論に資するべき情報を余すところなく開示し、世論の醸成を待つべきである。