全国女性税理士連盟

全国女性税理士連盟は創立60周年を迎えます!

入会案内特設サイト

活動内容

要望書

平成 23年 8月 7日
全国女性税理士連盟
会長 吉栖 照美

税制改正要望書

事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例
(所得税法第56条)の廃止を要望する

所得税法第56条は、同一生計親族に支払う対価(給与、地代家賃、支払利息等)を事業 所得等の必要経費とせず、またこれを受け取った側の所得としない旨規定している。

本規定は、戦後、伝統的な家族制度の残る中、親族に対価を支払う慣行も未成熟な状況 下において、恣意的に対価を定める等により所得分散を図り、税負担を軽減しようとする 「要領のよい納税者」に対抗するため、租税回避防止策として制定されたものである。

このため、「世帯」を課税単位として捉えており、個人単位課税を原則とする所得税法 の例外的規定となっている。

しかし、今日、女性の社会進出は社会の要請であり、経済的に独立する者も急増してい る。最近では、各々独立した事業者である配偶者間の対価の支払いにつき、所得税法第56 条をめぐる裁判も提起され、制定当時には想定できなかったケースも出現している。

社会が大きく変貌する中、同一生計であるというだけで、親族に支払う対価の経費性を 一切認めない本規定は、もはや多様な経済実態にそぐわないものとなっており、課税上、 新たな不公平を生じる結果となっている。

同一生計親族に支払う対価については、その適正な金額を必要経費とすることが、所得 税法の本則(第37条)からいっても正しく、また対価の支払いを受ける側も所得とするこ とが相当である。

対価を支払う根拠となる事実があり、適正な対価が支払われている限り、租税回避行為 に該当する余地はない。

全国女性税理士連盟は、以上の観点より、事業から対価を受ける親族がある場合の必要 経費の特例(所得税法第56条)の廃止を要望する。