全国女性税理士連盟

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活動内容

要望書

平成 23年 6月 18日
全国女性税理士連盟
会長 吉栖 照美

税制改正要望書

全国女性税理士連盟は、配偶者控除を廃止して、最低生活費保障の一端である
基礎控除額を引き上げることを要望する。

配偶者控除は、片働き世帯の妻のいわゆる内助の功への配慮と、夫婦共働き世帯とのバランスを考慮して昭和36年に扶養控除から独立して別個の所得控除として設けられた。しかし、現状では以下の理由により廃止する時期に来ていると考える。

1

憲法第24条2項は「個人の尊厳と両性の本質的平等」を定め、これに立脚して民法は夫婦間における協力扶助義務(民法第752条)を定めている。夫婦は対等の立場で互いに協力して生活を営むものであり、一方が一方を当然に扶養するという関係ではない。

夫婦間に関係する税制は基本的にこの認識に立って構築されるべきである。

2

現配偶者控除の適用対象者を見ると納税者の年収が高くなるにつれて増加する傾向がみられる。所得控除であるために適用税率の高い高額所得者に有利となる仕組みとなっていること、また、配偶者の家事労働等による利益は、家庭内で享受されていることから、配偶者に所得のないことが必ずしも課税上配慮すべき担税力の減殺要因とはならないと考えられる。

3

平成18年パートタイム労働者総合実態調査では、主婦パートのうち自分の収入に一定の上限を設ける等就業調整をしている者の割合が26.9%に上り、この原因の一つに配偶者控除等の適用が挙げられている。就業調整は、女性の低賃金化を招き、経済的自立の妨げになるばかりか、人材を有効に活用できないことで社会的にも損失となる。少子高齢化による生産年齢人口の減少が予想される中、将来の日本を支えるためには、女性の能力の活用が今後ますます重要になる。

共働き世帯と片働き世帯との公平性及び、婚姻・離婚・就業等多様なライフスタイルの選択上の中立性の観点からも、また女性の社会進出を促すためにも、その阻害要因の一つとなっている配偶者控除は廃止し、基礎控除額を最低生活扶助基準額(約100万円)以上に引き上げるべきである。

なお、配偶者控除の廃止にあたっては、子育てや介護をしながらでも働くことができるような労働環境の整備、男女共同参画社会のさらなる推進、社会保障等の充実もあわせて実施されたい。