全国女性税理士連盟

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活動内容

要望書

平成20年4月
全国女性税理士連盟
会長 貝原 富美子

税制改正要望書

特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の廃止を要望する

「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」(法人税法第35条)について、全国女性税理士連盟は、以下の観点から廃止を要望する。

1.税理論の無視

この制度は、役員給与に係る給与所得控除相当部分が個人法人を通じてみると、結果的に二重控除となることを理由として、税負担公平の観点から導入されたと説明されている。

しかし、本来、法人税法と所得税法は異なる法体系であり、給与所得控除は、給与と他の所得との担税力を考慮して設けられたものである。これを法人所得に加算して課税することは税理論をまったく無視することになる。

2.税負担の公平に反する

平成19年度税制改正において、適用除外基準である基準所得金額が800万円から1,600万円に引き上げられ、とりあえずは対象法人が減少することになった。

しかし、特定の同族会社のみを対象としていることに変わりはなく、同じ給与でありながら税負担に差別を設けることになり、他の法人との公平性を欠くものである。

またこの制度は、個人事業者の法人成りに伴う節税行為を抑制するために設けられたものと説明されているが、実際には業績、従業員数等十分に備えた多くの既存法人が、その対象になると考えられる。

3.起業振興の方向性に逆行

会社法により、1円からでも起業できることになり、一人会社が設立しやすくなったが、この制度は、これらの会社にも適用されることになる。これは、日本経済の活性化を推進していく政府の政策に逆行するものとなる。

4.租税法律主義の形骸化

この制度は、突然に平成18年度税制改正大綱に盛り込まれたものであり、事前の幅広い議論を経たものではない。国民に十分な議論の機会を与えず、唐突に法律化されることは、租税法律主義を形骸化させることになる。

単に適用除外基準の拡大を行なうのではなく、制度そのものを廃止すべきである。